AIとは?AI(人工知能)とDeep Learning(深層学習)を簡単に説明

2016年、Google傘下のAIスタートアップ企業「DeepMind」が開発した囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」が、囲碁世界チャンピオンのイ・セドル氏(韓国)を破りました。当時、AIが囲碁でプロに勝つまでに10年以上かかると言われており、その快挙は「AI(人工知能)」や「Deep Learning(深層学習)」というキーワードと共に世界中のメディアで報じられました。

そしてつい先日、2017年10月18日に「DeepMind」が最新の囲碁AI「AlphaGo Zero(アルファ碁ゼロ)」を発表。「AlphaGo」は、あらかじめプロ棋士の打ち筋を学習し、そこからAI同士の対戦で強くなっていくものでした。しかし、最新版の「AlphaGo Zero」は囲碁のルールを覚えて自己学習(強化学習)のみで棋力を高めていくことが特徴。これまで人間が数千年の創意工夫を経て考え抜いた打ち筋というデータベースを必要とせず、自己対局を繰り返して3日で「AlphaGo」に100戦全勝、「AlphaGo」の改良版である「AlphaMaster」に100戦89勝するまで成長したそうです。

「AlphaGo Zero」は一例ですが、著しい進化を遂げる「AI(人工知能)」、その進化を支える「Deep Learning(深層学習)」に注目が集まっています。そこで今回は、「AI(人工知能)」や「Deep Learning(深層学習)」の基本的な考え方や意味、そして未来についてご説明します。

AI(人工知能)とは?Deep Learning(深層学習)とは?

最初に「AI(人工知能)」と「Deep Learning(深層学習)」の基本的な概念をご紹介します。まず押さえておくべきことは、「AI(人工知能)」は総合的な概念と技術であり、「Deep Learning(深層学習)」はAI(人工知能)を支える手法のひとつだということです。

例えば人間は、動物を見たときに「イヌなのか、ネコなのか」を瞬時に判断します。そのメカニズムは、目や耳から得た情報を経験・知識と照らし合わせ、「動物なのか」「種類な何なのか」を推測することで実現しています。AI(人工知能)の基本的な概念も同様で、人間の脳が行っている“推測”をコンピューターで模倣することにあります。

その際に重要なのが“学習”です。AI(人工知能)も経験・知識がなければ推測できず、適切な回答を導きだせません。そこで判断するために必要な法則やルールなどを学習する必要があります。その学習方法は「機械学習(Machine Learning)」と呼び、「深層学習(Deep Learning)」という手法があります。

人間も赤ちゃんのうちは動物を判別できませんが、成長とともに学習すれば判別できるようになります。AI(人工知能)も人間のように学習することで成長するのです。そして、より人間の脳に近い手法として「Deep Learning(深層学習)」に注目が集まっています。

AI(人工知能)とは

AIとは、「Artificial Intelligence」の頭文字を取った言葉で、日本語では「人工知能」と訳されます。Wikipediaでは、「人工的にコンピューター上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指す」(Wikipediaより引用)とありますが、研究者によって解釈は千差万別で厳密な定義はありません。一般的な解釈として、「人工的に人間の知能を模倣するための概念および技術」と覚えておきましょう。

AI(人工知能)には、「コンピューターが人間のように“学習”し、知識をもとに“推測”する」ことが求められ、そのために複雑なプラットフォームやアルゴリズムが用いられます。身近なところではスマートフォンの音声認識や障害物を避ける自動運転、インターネットの画像検索やウェブページ検索、産業分野のロボット制御や画像処理など、さまざまな場所にAI(人工知能)が活用されています。

また、AI(人工知能)と言うと最新技術というイメージがありますが、じつは1950年代から研究が続けられています。現在のビッグデータやDeep Learning(深層学習)を活用したAI(人工知能)の発展は、「第三次人工知能ブーム」とも言われています。

Deep Learning(深層学習)とは

機械学習は、大量のデータから規則性や関連性を見つけ出し、判断や予測を行う手法です。そのためには、「色と形に注意」のように着目すべき特徴(特徴量)を人間が指定する必要があります。

Deep Learning(深層学習)は、その機械学習を発展させた手法です。人間の脳神経回路をモデルにした多層構造アルゴリズム「ディープニューラルネットワーク」を用い、特徴量の設定や組み合わせをAI(人工知能)自ら考えて決定します。機械学習では、「色と形に注意」のように着目点を指示する必要がありましたが、Deep Learning(深層学習)の場合は指示をしなくても自動で学習します。ただし、精度を高めるには大量のデータが必要になり、読み込ませるデータによって学習の方向性も変わるので慎重に選ぶ必要があります。

囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」やIBM社の質問応答・意思決定支援システム「Watson(ワトソン)」などは、このDeep Learning(深層学習)に該当します。

「特化型AIと汎用型AI」、「強いAIと弱いAI」などの種類について

AI(人工知能)は、用途によって「特化型人工知能(Narrow AI)」と「汎用型人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)」に分類されます。また、機能の高度さによって「弱いAI(Weak AI)」と「強いAI(Strong AI)」に分類するケースもあります。こちらでは、AI(人工知能)の分類についてご説明します。

特化型AIと汎用型AIの違い

「特化型人工知能(Narrow AI)」は、囲碁AI「AlphaGo(アルファ碁)」のように、特定の作業・領域でパフォーマンスを発揮するものを指します。一方の「汎用型人工知能(Artificial General Intelligence:AGI)」は、作業・領域を限定せずに人間と同等あるいはそれ以上のパフォーマンスを発揮するものを指します。イメージとしては、SF映画に出てくるような自分で考えて自立して行動する、生命に近いロボットプログラムが汎用型人工知能に該当します。ただし、人間と同等かそれ以上に万能なAI(人工知能)は、今のところ実現不可能です。実用化されているAI(人工知能)に限れば、すべて特化型人工知能と呼べるでしょう。

弱いAIと強いAIの違い

弱いAIと強いAIは機能の高度さなどによる分類で、どれだけ人間に近い行動をするかが判断基準となります。どこまでが弱いAIでどこまでが強いAI、といった明確な基準はありませんが、一般的に人間のような意識を持たずに機械的に作業などをこなすものを弱いAI、まるで意識があるように学習して意思決定できるものを強いAIと呼んでいます。Deep Learningを活用したAIは、強いAIと言えるでしょう。

AIを使うには何が必要?学習モデルとデータセットについて

実際にAI(人工知能)を利用する場合、「人工知能を作る学習フェーズ」と「人工知能を使う予測・認識フェーズ」にわけられます。その中で特に重要なのが、赤ちゃんのAI(人工知能)を成長させる学習フェーズで、その際に必要になるのが学習用の「データセット」と「学習モデル」です。一般的には「データセット」から規則性や関連性を抽出し、学習を繰り返すことで「学習モデル」を作っていきます。

特にDeep Learning(深層学習)の場合、精度を高めるために大量のデータが必要です。また、データの正確性も重要な要素になります。不完全なデータで学習すると、間違った判断をしてしまい、求めている方向にAIが学習しないリスクがあるからです。

学習済モデル構築にかかる計算コストは?

学習済モデルを構築するには、「AIに導き出してもらいたい回答」「その回答を得るために必要な学習」「学習するために必要なデータセット」などを明確にしたうえで設計を行います。その際に生データを収集し、データベース化し、データセットを作り、学習を繰り返す必要があるため、データの整理や学習には膨大な時間を要します。

さらに、AI(人工知能)が狙った方向に学習するようにチューニングする必要もあります。そこでAI(人工知能)を導入する場合は、AI(人工知能)コンサルタントやデータサイエンティストなどの専門家が欠かせません。

AIとDeep Learningの未来

Deep Learning(深層学習)により、従来の機械学習では不可能だった複雑なデータが扱えるようになりました。ここからAI(人工知能)はさらに進化するでしょう。AI(人工知能)がより高度な学習を自ら行うようになれば人間の負担は減り、業務は飛躍的に効率的になると予想されます。

また、アクセンチュアリサーチとフロンティアエコノミクスが発表したレポートでは、「AIは2035年までに16の業種で経済成長を平均1.7%向上させる」「AIテクノロジーは、2035年までに生産性を40%以上向上させる可能性がある」などの発表がなされています。
出典:https://www.accenture.com/jp-ja/company-news-releases-20161117

そのほかにもIDC Japanは2017年11月15日、「コグニティブ/AI(人工知能)システム」の国内市場予測を発表。2016年から2021年までに年間平均成長率は73.6%、2021年の市場規模は、2016年の約16倍となる2501億900万円になると予想しました。国内でも、急激にAIが成長すると考えられます。その原動力となるのがDeep Learning(深層学習)です。IT分野だけではなく、教育やサービス業、農業、製造業など、様々な場所にAI(人工知能)が活用されていくことでしょう。

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