人数カウントは大変で費用対効果が悪い? 実は意外と簡単で安くできる方法もある?!

人数カウントは大変で費用対効果が悪い? 実は意外と簡単で安くできる方法もある?!

指定エリアの通過人数を数える「人数カウント」ですが、「いまの事業には関係ない」と思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、この人数カウントは使い方によって、さまざまな業界・業種の課題を解決してくれるのです。そこで本記事では、人数カウントに関する基礎知識や活用方法などをご紹介します。

人数カウントの目的は?

街中では時折、カウンター(数取器)を手に行き交う人々の数をチェックしている姿が見られます。この方たちは、一体何のために人数を数えているのでしょうか? 多くの方がまず思い浮かぶのは、国土交通省などの行政機関が実施している交通量調査だと思います。これは交通量の変化を観測するだけでなく、渋滞や事故が発生しやすい場所を特定し、道路整備などで緩和措置をとるための重要な資料となるのです。

しかし、世の中で行われている人数カウントには、行政機関だけでなく民間企業が手掛けるものもあります。こちらの目的は幅広く、たとえばイベントの入場者数を計測したり、企業が新たな店舗をオープンする際に立地条件を判断する材料となったり、不動産業界で周辺住民の性別や年齢に応じたリフォームやリノベーションを行うためであったり、あるいは最適な広告掲示場所を探すマーケティング的な側面も持ち合わせていたりするのです。

人数を計測する方法とその長所と短所

人数カウントを行う方法として一番ポピュラーなのは、人間によるカウントでしょう。実際、アルバイト情報でも数多くの案件が見受けられるなど、需要の高さが伺えます。人間によるカウントのメリットは、機械での計測と比べて汎用性が高いことです。椅子が置けるスペースさえあれば計測が可能ですし、目の前を複数人が同時に通過してもしっかりと判断してカウントができます。

一方でデメリットとしては、作業に多少なりとも慣れが必要なことや、カウンターの押し間違いなどヒューマンエラーが発生する可能性があること、そしてなんといっても課題となるのが人件費の高さでしょう。長時間の計測を行う場合、ひとつの持ち場につき2~3人の交代要員が必要なため、専門業者に依頼してもそれなりの予算が求められます。短期間ならまだしも、長期間の計測となるとどうしてもコストパフォーマンスが悪くなるのです。

人数カウントには、センサー式の機械を用いる方法もあります。こちらは、赤外線/超音波/熱感知/レーザーなどの各種センサーで通過する人を検知する仕組みになっており、当然ながらヒューマンエラーの発生はありません。店舗内などに設置する据え置き型の場合、ハードウェアの購入や工事費用などの初期導入コストがかかる反面、一度設置してしまえば毎回人手に頼るよりコストを抑えられるというメリットもあります。

一方でデメリットとしては、センサーの種類にもよりますが、検知できる距離が狭い、センサーの前を人が同時に通過した際はカウントされない、設置場所の融通が利きづらい、といった点が挙げられます。

このように、人間・センサーともに一長一短のある人数カウントですが、いずれも「費用対効果がそこまで高くない」「予算を人数カウントに使うなら別のことに……」と考える方が多いのではないでしょうか。しかし、人数カウントは企業にとって大きなメリットを生み出すものです。

たとえばECサイトでは、コンバージョン率を上げるためにサイト内の最適化や各種マーケティング活動を行っていきますが、ここで極めて重要のがアクセス解析で得られた顧客行動の把握です。一方でリアル店舗の場合は、顧客行動を把握するための手段が限られています。そこで、顧客行動の把握に役立つのが人数カウントです。また、人数カウントは店舗だけでなく、働き方改革の一環としてオフィス内における動線の最適化を図ったり、防犯や入退室管理などにも活用できます。

このように、人数カウントを通じた顧客行動の把握は、業種を問わず企業のビジネスにも大きな恩恵をもたらしてくれるのです。

AIによる画像・映像解析を使った人数カウント

前述の通り、人間やセンサー式の機械を用いた人数カウントには一長一短があるため、メリットを理解してもなかなか実行に移せないものです。そこで近年注目を浴びているのが、AIによる画像・映像解析を使った人数カウントです。

ネットワークカメラとAIを使った人数カウント

主な仕組みとしては、ネットワークカメラで撮影した映像・画像をAIが解析し、自動的に設置範囲の通過人数を算出してくれます。また、ソリューションによっては人数だけでなく、性別や年齢、同一人物の判定などまで行えるものもあり、マーケティングに使える情報量が大幅に増加します。

さらに、防犯用の監視カメラとしての役割を同時に担えるのも大きな強みです。画質が良ければ従来の防犯カメラがそのまま流用できるソリューションもありますし、新しいカメラに入れ替える場合も監視と人数カウントの役割を併せ持つため、個別に導入するより運用コストが抑えられます。そのほか、カメラが設置してあるだけで犯罪の抑制につながるのもポイントといえるでしょう。

なお、AIを用いた画像・映像解析については、「AI画像解析 ― 人工知能を使った画像解析と映像解析でできること」で解説していますので、こちらも併せてご覧ください。

ビジネスでの具体的な活用方法

それではここで、AI画像・映像解析を使った人数カウントの具体的な活用方法を見ていきましょう。

店舗における未購入者の計測で転換率アップ

店舗においては、POSデータから購買状況は確認できますが、“なにも買わなかった人”の情報は残りません。こうした見込み顧客がどの程度いるのか、感覚値ではなく正確な値として“見える化”するための手段が人数カウントです。大規模な施設では、各フロアや区画ごとに人数カウントを行うことで、内部における人の流れを計測することもできるでしょう。

また、性別や年齢、同一人物の判定などが行えるソリューションなら、個人の特性情報も得られます。こうした情報から、商品の配列やコーナーレイアウトを見直したり、場所や時間に応じて適切なキャンペーンを実施する、といったことが可能になります。より細かい顧客行動を知れば、新たな施策のきっかけにつながるのです。

大規模施設で来場者の動きから設計を見直す

ショッピングモール/駅/空港など、日頃から数多くの人々が集まる大規模施設では、来場者の動線をいかに最適化するかが重要になります。いくら移動に必要な施設であっても、常に混雑して数時間待たされるような状況となれば、人々はどうしても別の移動手段を考えてしまいますし、商業施設でも行くのをためらってしまうでしょう。そこで施設を快適に利用してもらうために、AI画像・映像解析を使った人数カウントでレイアウトを見直すのです。施設内の混雑緩和はもちろん、適切な場所に小売店や飲食店を配置すれば、収益アップにもつながります。

立ち入り禁止エリアへの入場を監視・検知する

企業・店舗内において機密情報や金庫がある部屋、怪我の危険が伴う場所など、特定の人間以外の立ち入りを禁止・制限するエリアは意外に多いものです。そんな時、入退出口やエリア全体を見渡せる位置にネットワークカメラを設置し、AI画像・映像解析による人数カウントを導入すれば、監視業務の自動化が図れます。監視を重視したソリューションの多くは、登録者以外の人物を検知した際に管理者へアラートを送る機能が備わっているため、警備のための人件費削減にも効果的です。

企業のさまざまな課題を解決する人数カウント

このように、AIによる画像・映像解析を使った人数カウントは、業界・業種を問わずさまざまな状況で活躍してくれます。店舗における売上の伸び悩み、オフィスでの動線問題からくるコミュニケーション不足、各施設での混雑緩和といった課題を抱えている皆さんは、これを機に人数カウントを活用してみてはいかがでしょうか。導入時には「自社での活用方法」を考えた上で、実際にAIソリューションを提供している専門家に相談してみてください。

OPTiMについて

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